1967年公開のアメリカ映画「卒業」は、マイク・ニコルズ監督の代表作であり、世代を超えて愛され続ける名作です。
物語の舞台は、カリフォルニア州サンタモニカ。大学を卒業したばかりのベンジャミン・ブラッドリー(ダストン・ホッパー)は、将来への不安を抱え、日々を退屈に過ごしていました。ある日、彼は友人宅で娘であるエレイン・ロビンソン(キャスリーン・ロス)に出会い、一目惚れをします。しかし、エレインには婚約者がおり、ベンジャミンは彼女への想いを叶えることができませんでした。
エレインの母親であるミセス・ロビンソン(アン・バンクロフト)は、ベンジャミンに目をつけ、彼を誘惑し始めます。ベンジャミンは、エレインへの純粋な愛情と、ミセス・ロビンソンの色仕掛けに揺れ動くことになります。
複雑な人間関係と葛藤を描くストーリー
「卒業」の最大の魅力は、登場人物たちの複雑な人間関係にあります。ベンジャミンは、エレインという理想の存在に憧れを抱く一方、現実的な問題を直視することができず、葛藤を繰り返します。エレインは、ベンジャミンに惹かれる一方で、婚約者との約束を守ることに苦悩しています。そしてミセス・ロビンソンは、自分の欲望を満たすために、ベンジャミンを利用しようとする狡猾な女性です。
これらの登場人物たちが織りなす物語は、青春時代の甘酸っぱさと切ない別れ、そして大人への成長を描いた深みのある作品となっています。
時代を超えて愛される理由
「卒業」が時代を超えて愛され続ける理由は、いくつかの要素が考えられます。
まず、ダストン・ホッパー、キャスリーン・ロス、アン・バンクロフトという実力派俳優たちの熱演が素晴らしいです。特にダストン・ホッパーの繊細な演技は、ベンジャミンの内面を深く描き出し、観客に共感を呼び起こします。
次に、マイク・ニコルズ監督の巧みな演出も見逃せません。彼は、美しいカリフォルニアの風景や、当時流行していた音楽などを効果的に活用し、映画の世界観を作り上げています。
さらに、「卒業」は、当時のアメリカの社会状況を反映した作品でもあります。ベトナム戦争が激化する中で、若者たちは未来に対する不安と焦りを感じていました。この作品は、そんな若者たちの心の声を代弁するような存在となったのです。
「卒業」をもっと楽しむために
「卒業」は、単なる恋愛映画ではありません。青春時代の葛藤や、社会に対する疑問などが描かれている、奥深い作品です。初めて見る方はもちろん、何度も見ている方も、新しい発見があるかもしれません。
映画の音楽について
「卒業」のサウンドトラックは、サイモン&ガーファンクルの楽曲が多数使用されています。「The Sound of Silence」「Mrs. Robinson」といった名曲が、映画の世界観をさらに引き立てています。これらの楽曲は、映画の公開当時から大ヒットし、今もなお多くの人々に愛されています。
「卒業」の評価
「卒業」は、公開当時から高い評価を受け、アカデミー賞で最優秀監督賞、最優秀女優賞(アン・バンクロフト)、最優秀楽曲賞などを受賞しています。また、アメリカン・フィルム・インスティチュート (AFI) の「アメリカ映画100選」にもランクインしています。
まとめ
「卒業」は、青春時代の甘酸っぱさと切ない別れを描き出す、不朽の名作です。美しい映像、魅力的な登場人物、そして名曲の数々によって、観客を深く感動させる作品となっています。まだ見ていない方は、ぜひ一度ご覧になってください。
タイトル | 監督 | 主演 | 公開年 | |
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1 | 卒業 | マイク・ニコルズ | ダストン・ホッパー、キャスリーン・ロス、アン・バンクロフト | 1967 |